給付付き税額控除ってどんなことでしょうか? 基本的な仕組みは簡単ですが、実施するのはとても大変。
お役立ちコラム
令和8年7月22日
最近、給付付き税額控除という言葉がよくでてきます。
なにか難しそうな印象を受けますが、基本的な仕組みは簡単です。
しかしこれを実施しようとすると大変な問題があるのです。
その点をわかりやすく解説します。
❙ 給付付き税額控除のしくみ
できるだけ簡単に仕組みが理解できるように、下記のようなケースをつくりました。
いまAさん、Bさん、Cさんの3人の所得税が15万円、10万円、5万円でした。
そこから国は3人に一律10万円の税額控除(税金を差し引くこと)をします。
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所得税 |
税額控除 |
差引 |
結果 |
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Aさん |
15万円 |
10万円 |
5万円 |
納税 |
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Bさん |
10万円 |
10万円 |
0円 |
非課税 |
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Cさん |
5万円 |
10万円 |
△5万円 |
給付 |
するとAさんは5万円の納税、Bさんは0円で非課税、Cさんは△5万円で給付をうけることができます。
これが給付付き税額控除の基本的な仕組みです。
❙ 所得を正確に把握することが大前提
しかしこの計算をするためには、すべての人の全部の所得(そして所得税額)を正確に把握しなければなりません。
会社からもらう給与、国から支給される年金、株式配当、株式売買のもうけ、不動産所得、アルバイト収入などすべての所得です。
基本的にはすべての人が確定申告(税務署に自分の所得を申告すること)することが必要になるといわれています。
❙ 計算の複雑さと煩雑さ
また給付付き税額控除の計算をする際に、個人単位で計算するのか、夫婦単位で計算するのか、世帯単位で計算するのか、また子供の数をどのように計算に入れるかといった難しい問題があります。
さらにこのような計算を誰がするのか、といった問題もあります。
現在、わが国の所得税の計算のほとんどは、勤務先の会社が「年末調整」という方法で、かつ無償で行っています。
この制度の導入に対して日本商工会議所(中小企業の団体)は「企業にこれ以上の事務負担を課すことは到底受け入れられない。」と反対しています。
❙ まとめ
給付付き税額控除の実際は複雑で、その実現には大きな問題があります。
税金の3大基本原則は「公平、公正、簡素」と言われます。
税金の仕組をわかりやすいものにするためには、「簡素」の原則を守る必要があります。
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